1. さまざまなアプローチ

沖縄の米軍基地問題には、いろいろなアプローチがある。そのなかで、憲法によるものとして、

また、平和学の立場から沖縄問題にコミットした教科書として、星野英一他『沖縄平和論のアジェンダ−怒りを力にする視座と方法』法律文化社、2018年。法律文化社は、平和学の視点に立って沖縄の問題を考える本を何冊か出版している。これらは、1995年9月に起きた少女暴行事件を受けて、全国的に、沖縄の加重負担と負担軽減の声を高まったことを受けて、出版されたもので、仲地博、水島朝穂編『オキナワと憲法』法律文化社、1998年、などがあるが、すでに絶版になっている模様。図書館で調べてみるといい。

ほかには、高良鉄美『沖縄から見た平和憲法ー万人(うまんちゅ)が主役』未来社、1997年。など。

2. 沖縄現代史の視点:新崎盛暉を中心に

沖縄現代史が専門であった新崎盛暉の業績ははずせない。自分自身の研究生活を振り返った本として、私の沖縄現代史―米軍支配時代を日本で生きて』岩波現代文庫、2017年

『日本にとって沖縄とは何か』岩波新書、2016年沖縄現代史(新版)』岩波新書、2005年

新崎盛暉『基地の島・沖縄からの問い―日米同盟の現在とこれから』創史社、2007年

新崎とは違ったタッチで沖縄現代史を論じた本に、櫻澤誠『沖縄現代史−米国統治、本土復帰から「オール沖縄」まで』中公新書、2015年

3. 在日米軍をめぐる諸問題

梅林宏道『在日米軍−変貌する日米安保体制』岩波新書、2017年が、在日米軍の現状を伝える。

4. 外交史の視点

まず、ユニークな本として、古関彰一、豊下楢彦『沖縄 憲法なき戦後−講和条約三条と日本の安全保障』みすず書房、2018年。これは、憲法史が専門の古関先生と、外交史が専門の豊下先生がコンビをくんで、沖縄問題にアプローチするもの。同じコンビで、『集団的自衛権と安全保障』岩波新書、2014年もある。こちらから読んだ方がいいかな。

豊下楢彦先生の一連の書物は、独特の語り愚痴で面白い。『安保条約の成立−吉田外交と天皇外交』岩波新書、1996年で、まず、安保条約に至るプロセスを、吉田茂首相とは別に、昭和天皇が担っていたという仮説を検証している。

吉次公介『日米安保体制史』岩波新書、2018年は、教科書的に通史をまとめており、わかりやすい。

5. 平和運動の現場

沖縄の「基地問題」を考える際、平和運動の現場も知っておいた方がいい。というのも、全国で47都道府県あるうちの1つが沖縄県であるが、逆に言えば、沖縄県の声は、47分の1でしかない。多数決が原則の民主主義において、民主主義の「質」を高めるには、少数者の声を無視することはできない。

全国的に知れ渡っているのは、辺野古での運動であろう。技術的に、辺野古への新基地建設は無理だと主張するものに、山城博治、北上田毅『辺野古に基地はつくれない』岩波ブックレット、2018年。このほか、安全保障政策の代替案を提出するものなどがある。