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国民保護計画策定状況に関する実態調査ならびに韓国・イギリスとの比較研究

 

(2015年4月1日〜2018年3月31日、基盤研究(C)、課題番号:15K03302)

1. 研究の目的

 本研究は、平成26年度まで科研費助成を受けていた、自治体の「平和政策」に関する研究をさらに発展・深化させたものである。

 自治体の「平和政策」は、沖縄県のように、国家安全保障政策に影響を及ぼす場合をのぞけば、多くの場合、非核・平和を訴える「シンボル」的なものに過ぎなかった。しかし、国民保護法の制定により、各自治体は国民保護計画の策定し、有事における地域住民への対応(避難誘導など)が求められるようになった。この点に関する考察抜きに、自治体レベルからの「安全保障」政策を包括的に講じたとはいえない。

 そこで、本研究では、これまでの「平和政策」とどのような接点をもつのかに関する理論的・実践的研究を継続する必要がある。そこで、本研究では、現時点における自治体の国民保護計画策定に関する実態調査を行い、北朝鮮の脅威に対応する韓国、冷戦時代には、限定核戦争の脅威にさらされながら、自治体が、国家の核兵器を前提とした避難計画を出したのに対し、非核自治体宣言を行ってきた、イギリスにおける国民保護計画と、日本のそれとを比較研究する。

2. 研究計画

2015年度

1. 初年度は、日本の国民保護に関する研究を進める。地方の分権化が叫ばれる一方で、安全保障の分野においては、地方政府(自治体)の権限を奪う方向にあるのが、現時点である。このため、有事法制における、中央政府と地方政府(自治体)との関係をそれぞれの立場から検討し、「国民保護計画」における有事の想定、地域住民の避難計画の適切さを検証する。前半期は、「政治学(行政学)」「国際関係論」「平和学」に興味のある学生を研究補助としてバイト雇用しながら研究を進め、後半期は、郵送調査による集計作業などを、引き続いて、バイトの協力を得ながら行う。

2. 自治体に対する郵送調査は、すでに、平成26年度まで科研費助成を受けていた研究において実施した経験を有する。今回、「国民保護」を担当する部局は、平和施策を担当する部局とは異なるため、事前調査の中で、担当する部局に関する情報を、平成26年度まで助成を受けて行った調査で使用したデータの中に書き込んでいく作業を進める。

3. 国際システムの構造変容、とりわけ、中国の軍事的台頭をどのように評価するのかに関する文献渉猟を行い、次年度、学会報告ができるように準備する。

4. イギリスにおける、冷戦時代の限定核戦争が想定されていた時期の国民保護計画、および、現時点での国民保護計画に関する調査を、研究協力者のHook, Glennシェフィールド大学教授の協力のもとで行う。

2016年度

1. 前年に引き続き、朝鮮有事における、韓国の国民保護計画について、長期休暇を用いて、現地調査を行う。現地調査に赴く前に、文献を渉猟し、研究協力者とE-mailやskypeにて、助言をいただき、効率的に現地調査が行えるようにする。研究協力者はSon, Key-young高麗大学教授である。

2. 予備段階において、2016年3月31日から4月3日まで、シアトルで開催される、Association for Asian Studiesにおいて、研究協力者の、Son教授と共同で報告することとし、そのうえで、さらなる調査項目の見直しを行う。

3. 前年度に行った、日本の自治体の策定する「国民保護計画」に関する追加的調査を実施する。

4. 上記の調査を行うのに必要な、比較政治学および国際関係論に関する文献を収集し、読了する。

2017年度

1. 平成28年度から29年度にかけて行った調査・研究の取りまとめ作業を行う。

2. 研究協力者2名を日本に招聘し、ピア・レビューアーとともにシンポジウムを開催する。会場は、立命館大学国際平和ミュージアム、もしくは、明治学院大学国際平和研究所の協力を得て、東京で行うことで、より多くの参加者を得たい。また、中国の軍事的台頭にむけて、島嶼防衛が叫ばれている中で、沖縄の中では、再び有事が起きれば、沖縄戦のような状況になりかねないとの懸念の声がある。このため、沖縄でもシンポジウムを開催することを検討する。

3. さらに検討の必要な課題を列挙し、可能な範囲でこれまでの研究を補完する。
今の時点で考えられる項目としては、外交政策や、安全保障政策は国家の専管事項であるとされ、自治体が独自に外交政策を行うことは認められないとする(中央)政府に対し、自治体がどこまで独自性を発揮し、緊張関係にある韓国・北朝鮮・中国との関係を、マルチ・トラックな外交で補完できるかという点である。

4. 以上を海外の学会で報告し、海外の研究者との交流を図る。

3. 関連リンク

内閣官房「国民保護ポータルサイト」

4.アンケート書式ダウンロード

・都道府県:アンケート1-2 アンケート2-2

・市町村用:アンケート1 アンケート2

5. シンポジウム報告

・2016年7月2日、沖縄大学地域研究所のご協力を得て、シンポジウム「島嶼防衛と離島への自衛隊配備を問う」を開催しました。当日の様子が、沖縄タイムスに取りあげられました。

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